群馬県立高崎女子高等学校 エキサイティング・サイエンスT

  〜脳のはたらき〜
群馬大学大学院医学系研究科 関野 祐子 助教授     


   〜関野先生より〜
 最近はいろいろなテレビ番組で「脳」が取り上げられているので、脳のはたらきに関心を持つ人が随分と増えてきましたが、テレビや本の情報がなかったとして、皆さんは脳が何をしているかなんてことを考えたりするのでしょうか。また、日常の生活の中で、脳というものの存在を感じたことがありますか? もしも「脳はいったい何をしているの?」ということを考えたとしたら、どのような時でしょうか。




〜講義の概要〜
 学習・記憶・思考ばかりでなく、感覚・行動など、生きる営みはすべて脳の働きにより制御されている。ところが、私たちが悩んだり考えたり行動している時に、自分の頭の中にある脳という臓器のことを、意識することはほとんどない。これが消化器や骨格筋とは違う所である。脳は動かないからである。例え、深く物事を考えるときに、眉間にしわが寄ったりする様なときには、確かに頭が重くなるような気がして、脳を意識するかもしれない。でも、脳の中のどこで何が起こっているか、自分でわかる人ははいない。ヒトの脳の大脳皮質にある約140億個の神経細胞のつながり方は、想像を遙かに超えるほど複雑である。外界から五感を通して脳に入ってきた大量の情報は、いくつもの神経のつながりを通過して処理されて、知覚として認識される。一つ一つの神経のつなぎ目では、情報はミリ秒という単位の非常に速い電気信号として処理されている。我々は、自分の脳の中で情報がどのように処理されているのかを、意識することは出来ない。そのように脳で何が起こっているのかを知ることは大変に難しい、私たち脳の研究者(神経科学者)は日夜、様々な方法で脳の働きの仕組みを解明しようとしている。どのような方法を使って脳の働きを明らかにしているのかを知っていただきたい。講義は、神経細胞の形や、情報伝達機構の発見の歴史をたどりながら、脳の最も重要な化学シナプスの話をして、脳の働きと化学物質のことについて学ぶ。


〜生徒の感想〜
普段、自分の脳について、全く意識したことがありませんでした。今回、この講義を聞いて、脳には細かな仕組みがたくさんあるのだということがわかりました。特に、樹状突起の細胞が動いているということには驚きました。脳にも、いくつかの種類があり、思考する脳、運動機能を調節する脳などがあることもわかりました。自分の意識していないところで、自然と脳が働いていると思うと、改めて脳の不思議に驚きました。
脳について新しい発見がたくさんあった。同じ脳なのに、日本人の脳と西洋人の脳では、違った反応を示すということには驚いた。また、左脳と右脳も構造は同じだけれど、数学的・論理的に考える左脳、図形的に物事を考える右脳と、きちんと役割分担があることなど、知らないことが多かった。今まで、脳の働きについて考えたことはあまりなかったけれど、今回の講義を受けて、生物学に特に興味が湧いてきた。もっと深く知りたいと思った。

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