〜レーザー光が拓く世界〜 群馬大学工学部応用化学科 飛田 成史 教授
群馬県立高崎女子高等学校

講義風景 〜講義の概要〜
 私たちの身の回りには、多種多様な物質があふれている。その中には、木やダイヤモンドのような太古から天然に存在するものもあれば、プラスチックやある種の医薬品のような人間が新たに創り出した人工物もある。物質は、私たちの体も含めて、この世界を形作っている根本要素のひとつだが、私たちの回りには、物質とは言えないもの、すなわち光があることに気付く。光と物質の関係は一見独立のように見えるが、実は無関係ではなく、物質は絶えず光を吸収したり放出したりしている。私たちの体も絶えず目には見えない波長の光を吸収したり放出したりしている。野原に咲く花々が赤や黄色に美しく見えるのは、それぞれの花が、その花特有の波長の光を吸収するからである。例えば真っ赤なバラの花びらが赤く見えるのは、太陽光の中の赤色の光以外の波長の光は吸収され、赤色の光だけが反射されて私たちの目に届くからである。すなわち、光は、私たちに情報を伝えてくれる重要な媒体と言うことができる。暗闇の中で物を見ることができないのは、情報を伝えてくれる光がないからである。この講義では、光について、特にレーザー光が拓く世界について考えてみる。まず、光について科学の目で捕らえたときに、現在どのようなことが分かっているのかを簡単に解説する。そして、人間が創り出した優れた光源であるレーザーについて詳しく説明する。レーザー光には、蛍光灯や白熱電球のような通常の光源から出る光にはない優れた特性がある。例えば、レーザー光には遠くへ行っても広がらない性質がある。また、時間的に短いレーザーパルス光を作ることができる。レーザーパルス光を使うと、距離の計測を正確にしかも簡単に行うことができる。また、非常に高速で起こる化学反応や物理現象を追跡することが可能になる。講義の中で1ナノ秒(10−9s)、1ピコ秒(10−12s)、1フェムト秒(10−15s)、という時間が出てくるが、これはそれぞれ10億分の1秒、その1000分の1秒、さらにその1000分の1秒を表す。このような短い時間内に起こる現象は、身近には考えにくいと思うが、実は、植物の光合成や私たちの目が見える仕組み(視覚のメカニズム)にも関係していることを紹介する。
講義風景
講義風景
講義風景
講義風景 〜生徒の感想〜
レーザーの基礎的な部分から、専門的な部分まで聞くことができ、おもしろかったです。「レーザー」と聞くと、「レーザー光線」「レーザービーム」などの言葉を聞いたことがあるくらいでした。しかし、今回レーザーの可能性をたくさん知ることができました。レーザーメスや高速化学反応への応用などに、興味がわきました。
レーザーは色々な所に使われていて、私たちの生活との関わりも年々強くなっている。レーザーメスの利用は、医療現場には欠かせないものとなり、バーコードの読み取りは本当に便利で、開発した人達はすごいと思う。レーザーの活用によって便利になるものは、まだまだあると思う。光とは面白いものだと感じた。
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