〜二つの科学 国際基督教大学大学院
 村上 陽一郎 教授
群馬県立高崎女子高等学校

講演の様子 〜講演の概要〜
 19世紀ヨーロッパに誕生した「科学」は、専門家集団である科学者共同体の内部のみで完結したものであり、外部社会との繋がりを持たなかった。しかし、20世紀半ば近く、核兵器の開発によって事態は変わり始める。原子核研究者の共同体内部の知識が、外部社会(特に軍事のセクター)に利用されるという事態が起こった。またそれとは別に、企業などでも、科学者共同体の占有であった知識を、自社の利益のために利用する事例も増え始めた。
 もはや「科学者のための科学」だけでなく、そこに「社会のための科学」が加わっているのが現代である。物好きが集まって、わけのわからないことを研究しているという時代ではないし、私は文系だから科学は関係ないということにもならない。

〜生徒の感想〜
「思惟の時間」の「知へのアクセス」を読んだり、国語で村上先生の評論文の一部を勉強していたりしたので、講演の内容を大体理解することができました。私は文系だから、科学のことなんてわからなくてもいいと思っていたけれど、今の科学は私たちのLIFEを脅かす危険もあるため、一人一人が科学に関心を持つ必要があるという先生の話を聞いて、考えが変わりました。私も科学について最低限の知識を持ち、LIFEが脅かされていないか監視してゆきたいと思います。
科学のパターンには、科学者たちが自己の興味・関心を満たすためだけにやっているプロトタイプの科学と、科学者と企業や軍事組織とが連携して研究が行われるネオタイプの科学があることを知った。現在は後者がほとんどを占めているらしいが、私はネオタイプの科学だけでなく、プロトタイプの科学も存在してよいと思う。いずれにしても発展する科学の犠牲とならないように、リテラシーを身につけてゆきたい。
哲学には昔から興味を抱いていたが、化学も物理もかつてはその哲学の一部だったことを知って驚いた。実は私は物理や化学といった学問はとても苦手で、将来にも必要のないものと思っていた。そして哲学こそが、人が生きるために必要なものだと思っていた。この私にとっては全く相反すると思っていた二つの学問が、できた当初は一つの学問だったということはとても興味深かった。少し物理等に対する関心も深まったような気がする。
村上先生は、科学にまつわる様々な単語を語源から説明してくれて、すばらしいと思った。私も英語については、村上先生のように、語源や語の形成・歴史的背景などを説明できるくらい深く学びたいと思う。自然科学についてはよくわからないけれど、科学なしではいられないほど生活に直接関わるものだから、科学がどのような方向に進んでいっても科学への関心は持っていなくてはいけないこと、そして科学が国益のため誤って使われたとき、科学についての正しい理解をもって自分の考えを示せるようにしておく必要があるということがわかった。
講演の様子
講演の様子
講演の様子
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