群馬県立高崎女子高等学校 エキサイティング・サイエンスT

2005年10月20日(木)

〜概要〜
 筑波大学・東京大学より4名の先生をお招きし、講義を受けた。
宮本 定明 筑波大学 大学院システム情報工学研究科 教授
「情報とシステムを通じて理解する自らと世界」
 ネットワークセキュリティ、システム概念と計算のパラダイムシフト、認知の失敗、文書情報などについて。
奥田 洋司 東京大学 人工物工学研究センター 教授
「ナノテクから地球環境まで−コンピューターシミュレーションでわかること、わからないこと」
 スーパーコンピューター、ナノテクノロジー・機械工学・地球環境などのシミュレーションなど。
山本 順一 筑波大学 図書館情報メディア研究科 教授
「個人情報とセキュリティ」
 デジタルネットワーク社会における個人情報やプライバシーについて。
森田 ひろみ 筑波大学 図書館情報メディア研究科 講師
「簡単な心理学実験から見えてくる我々の視覚システムの不思議」
 視覚探索と呼ばれる単純な心理学実験、視覚の特性について。
 
1学年全生徒325名が4つに分かれて講義を受けた。生徒は、講義の中で興味を持った事項が多く、今後の進路選択にも大いに参考になったと思われる。

 『情報とシステムを通じて理解する自らと世界』 筑波大学大学院 システム情報工学研究科
宮本 定明 教授

〜生徒の感想〜
とても難しかったが、途中で問題を解いたりして、少しずつだが理解することができた。最初に、論理についての説明があった。「論理」と聞くととても難しそうに思えるが、パラドックス(逆説)を用いて考えると、非常に分かりやすくなる、ということが分かった。今日、パラドックスに関していくつかの例がとり上げられたが、私が一番興味を持ったのが、「アキレスと亀のパラドックス」だ。亀は歩くのが遅いので、本当ならばすぐにアキレスに追い抜かされてしまうが、常に亀が前にいるという口実によって、アキレスは永遠に亀に追いつけないのだ。実際にはあり得ないことが、まるである得ることのように表現されているパラドックスはとてもおもしろいものだと思った。論理についてもっと調べたい。
今回の講義の内容はとても難しかったように思う。でも、頭の体操である問題を解きながらだったので、楽しんで講義を聞けた。先生の説明もとてもていねいで、たくさんのことを知ることができた。特に、第3部で話してくださった論文については、これから私が論文を書く上で、必要なことなどを教えていただき、とても役に立つ内容だった。「レポートの組み立て方」という本を勧めていただいたので、今度探してみようと思った。また、一人で一生に1000編もの論文を書いた数学者が何人もいたことには驚いた。今回の講義で初めて知った用語がたくさん出てきたので、これからそれらの言葉について、もっと詳しく調べてみようと思う。
最初は認知やパラドックスが複雑で難しかった。しかし、問題を解き始めると、まるでなぞなぞを解いているようで面白かった。それから、論文についての資料を見せていただいた。全部英語で書かれ、見たことのない記号が多くあったので驚いた。論文は英語で書く必要があるので、英語をもっと勉強しようと思った。最後まで講義を聞いて、情報とシステム、それに伴うリスクなど、色々なことを知ることができ、今まで理解できなかった部分が解けた気がした。また多くのことを学びたいと思った。


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『ナノテクから地球環境まで
―コンピューターシミュレーションでわかること、わからないこと―』
東京大学 人工物工学研究センター
奥田 洋司 教授
〜生徒の感想〜
コンピューターを使ってシミュレーションするということは、以前別の講義でお聞きして、その時からどのように行われているのか、とても疑問でしたが、今回シミュレーションに至るまでの手順や応用などを聞いて、少しではありますが、理解することができました。コンピューターシミュレーションを使えば、原子力など人体に有害な物質などを扱う機材の安全性の確認などもでき、そのような面でとても便利なものだとわかりました。そして同時に、ガリレオやニュートンにも、とても興味を持ちました。彼らの実験方法や論理が、今につながっており、彼らがいなければ、今の科学、物理は成り立っていないかもしれないと思いました。講義中に、スライドで見せていただいた公式をどうやって導き出したのか、今度は自分で調べてみたいです。
今回の講義は、私にとってとても難しいものだったが、また新しい分野を知ることができて、とてもよい機会だったと思う。科学と技術のための3つの方法で、最後に“計算”ができたとは意外だった。計算力学が、様々な所で応用できるというのも驚きだった。水の流れなども計算できるなんて、今の科学技術はすごいと思う。これからも、もっと多くの所で計算が応用され、進歩していったら良いと思った。コンピューターシミュレーションで、どこまで正確に計算することができるのかが疑問であり、そこをもっと知りたいと思った。
コンピューターシミュレーションによって、たくさんのことがわかるのに驚いた。水や風の流れのことなどは自然のもので、人間が解明するのは難しいと思っていた。しかし、計算や理論で解明できるということに驚いた。でも、やはり実験や理論、計算でわかることには限界がある。これからは、その限界を超えた解明の仕方が発見されるといいと思う。近年では、地球シミュレーションが進んでいて、地震や気候についても計算で解明できるようになってきているという。もし、この研究がもっと進めば、地震や台風などの自然災害の被害も、もっと減らせると思う。これから更にコンピューターシミュレーションが進化して、生活に活かしていけると良いと思った。


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『個人情報とセキュリティ』 筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科
 山本 順一 教授

講義風景
講義風景
講義風景
講義風景
講義風景
〜生徒の感想〜
情報に関しての講義だったため、難しそうだと考えていたが、身近な例から始まり、写真や表を使って説明してくださったので、とてもわかりやすかった。現在、個人情報の流出が多く起こっているが、自分自身でも気をつけなければならないと思った。また、身近な所にたくさんの情報収集機器があり、私たちの情報を集め、活用しているのだとわかった。知らない活用のされ方や、個人の情報判断などがたくさんあるのにも驚いた。情報が行き交っているとは考えていたが、プライバシーまでもが関わっていることを知り、驚いた。今まであまり自分自身の情報や、その大切さを考えていなかった。しかし、これからは1つ1つの情報の重みを知り、守っていきたいと思った。
最近私達の身の回りには、様々な情報システムがある。この講義を聞いて、どんな情報システムがあり、どのような個人情報が管理されているのかを知ることができた。そして、様々な個人情報があることに驚き、興味を持った。また、人間だけでなく、牛肉にも情報があることを初めて知った。それから、個人情報の保護をしっかりと行っていかなければならないことを、改めて実感した。自分や他人の個人情報を簡単に流出させないよう気をつけるべきだ。私達がしっかりと情報と向き合い、正しく利用していくことで、情報に囲まれている現代社会でより良い生活ができると思った。
個人情報についてほとんど知識がなかったので、聞くこと全てが新鮮で面白かったです。Nシステム、GPS、POSシステムなどには驚きました。自分の知らないところで、自分の情報が管理・利用されているというのは、便利な反面少し怖いという気もします。また、お話を聴いて、今の社会は情報によって左右されているのだということを、あらためて認識しました。自分の情報はできる限り自分で守れるような配慮をしていきたいです。そのためには、個人情報・セキュリティについて、もっと見識を深める必要があると感じました。


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『簡単な心理実験から見えてくる
我々の視覚システムの不思議』
筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科
 森田 ひろみ 講師
講義風景
講義風景
講義風景
講義風景
講義風景
〜生徒の感想〜
なぜ間違い探しが難しく感じるのか。それは、人の目と脳が「アバウト」に情報処理を行うためだ、ということがわかった。脳の働きについても興味深く、「アバウト」に処理をする脳は、生きるために大切な機能なのだと感じた。先生のお話もわかりやすかった。図や写真を用いての説明だけでなく、心理学の実験の仕方も話してくださり、心理学の深さを教えてくれた。私は、心理学は人間の行動、考え方を研究するものだと思っていた。しかし、今回の講義を聞いて、とても科学的で、文系の枠に収まりきらない広さを持つことを知った。心理学はとても興味深い学問だ。もっと心理学について調べてみたいと思う。
間違い探しに視覚システムがどのように関係しているか、ということを初めて聞いたので、とても興味深かったです。先生の講義はとても面白いものでした。目というのは、当たり前に使っているものなので、「注意を向ける」ということについて、初めて考えたように思います。視界に入っていても、注意を向けなければ気付かない、ということに、とても驚きました。
今日の講義はとても興味をもって受けることができた。絵や図、スライドを使って説明してくださり、わかりやすかった。視覚系の探索実験で、絵の中の色・傾きには反応時間にさほど変化はみられないのに対し、結合探索でターゲット無し・有りでは、反応時間に差が出て、不思議だなぁと思った。更にそれはなぜ起こるのかを調べ、結果を導き出すことは、とてもすごいことだと思った。スライドでの間違い探しは、何かありそうなところに注意を誘導しても、なかなか見つからないという、色のとり違いや、形のとり違い、つまり結合誤差が自然と起こってしまうのだと、実際に体感できた。私達が普段何気なく使っている目や脳について詳しく探って、納得いくまで調べ上げるのは、とてもおもしろそうだと思った。今日の様な講義をまた受けたい。


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